フィギュアスケート全米選手権2011(6):アイスダンス

ジョニー・ウィアー・スペシャルトークイベント。お近くの方はぜひいってほしいのですが、それにしてもこの写真はなんなんだと思うマイク松ですこんにちは。JSPORTSはほんとにきてほしいのかと思わせる出来です。こ、こんな写真で喜ぶのはわれわれだけなんだからね!
今日は全米選手権のアイスダンス。欧州選手権と比べるとアメリカらしいペアが多くて多少退屈なのですが、今年は違いました。

フィギュアスケート全米選手権、アイスダンス。実況は小林さん、解説は藤森さん。
まずはSDから。キャサリン・ピルグリム&アレキサンダー・ロレーロ。メタリカのメドレー。ツイズルはがんばってあわせてます。パターンダンスはまだおそるおそるやってる感じがありますね。出来に気つかってる場合じゃないのか。そして滑りにスピードが足りないですね。いっそのことメタリカのメドレーなら「マスター・オブ・パペット」とかの高速系を使ったらいいんじゃないかな。(もうすでにワルツじゃない)MiStでちょっとロレーロがバランス崩しました。RoLiはもっと思い切ってやってほしいです。でも初出場にしてはしっかり落ち着いて演技してましたね。32.79。
イザベラ・カヌーシオ&イアン・ロレーロ。このロレーロはさっきのロレーロの弟らしい。すげー。「ピアノマン」。ツイズルはちょっとずれたけどしっかりやってる。MiStはエッジを深く使って歯切れはいいですね。パターンダンスは兄ペアよりもスケーティングが伸びてる印象。音楽に助けられてるのかも。RoLiはエントランスに工夫がありました。最後はちょっとかくかくしてましたがいい演技。54.43。兄ペアと全然違うやん!がんばれ兄。
マディソン・ハベル&ケイファー・ハベルのハベル兄妹。今変換したら侍る兄妹ってでた。親類にアリヲリ・ハベルとかイマソカリ・ハベルとかいたらおもしろいのに。「アダムス・ファミリー」。RoLiはとても移動がなめらかでいいですね。パターンダンスは正確なステップ。ポイントとなるところをしっかりこなしてます。それでいて全体にワルツの雰囲気。MiStで兄が足をついてしまいました。これはきつい。ツイズルでもセカンドで足ついてる。けっこういい演技だったのに。しかし57.91。
マディソン・チョック&グレッグ・ゼアライン。世界ジュニアのチャンピオンでもあるらしい。MiStから入ります。とても滑っていてあっという間に終わります。てきぱきしていますね。音楽をしっかりとらえていて、ツイズルは回転が速くて移動距離も長い。パターンダンスまでにすでに物語があります。パターンダンスでは足が近いしゼアラインがしっかりホールドしてる。何よりワルツの雰囲気をもりもり出してますね。最後のRoLiは回転が速かった。最後はがばっと抱き合ってフィニッシュ。これはうまい!課題にふさわしいナイスワルツ(?)でした。61.74。ゼアラインは七三にしていて80年代のサラリーマンみたいな感じでした。
マイア・シブタニ&アレックス・シブタニのシブタニ兄妹。きましたね!両親はピアニスト&フルート奏者。「回転木馬のワルツ」。のっけから音楽の解釈が感じられる動き。ツイズルは高速回転でタイミングもばっちり。すごい!MiStはすごいユニゾン。完璧で分身の術かと思わせるほど。フリーレッグのタイミングも高さも同じです。パターンダンスはおそらく課題もしっかりこなしている(という風にしか見えない)のに加えて、舞踏会のようなワルツの格調がリンク全体を支配していました。CuLiに加えてRoLiも入れてフィニッシュ!きたきた!これがシブタニズですよ!これぞアイスダンスのワルツというベリッシモな演技。70.47でた!
メリル・デイヴィス&チャーリー・ホワイト。このカップルしかシブタニズの上にくるとは思えない。「ラ・ボエーム」「椿姫」。最初の動きから会場の視線を一挙に引きつける。相変わらず高速ツイズル。MiStはしっかりこなしてます。パターンダンスはむしろ勢いが増した感じ。音楽の強弱にあわせて滑りの質も変えてくる。メリハリが滑りの中にもあるんですね。そしてクライマックスに向けてRoLiの激しさと感情の起伏を一気に表現してフィニッシュ!はーいありがとうございまーす!チャンプの威厳と気迫、そして気品が一気に表現されてましたね。76.04。まだまだ下とは差があるなあ。
シャノン・ウィングル&ティモシー・マッケナン。「仮面舞踏会のワルツ」。いきなりパターンダンスから入ります。しっかり音楽に乗ってるしまずまずの出来。ツイズルがちょっとあってないですね。CuLiはノーハンドでさっとポジションを作るレベルの高さ。MiStは2人はよくそろってるけどリズムに乗り切れてないですねー。しかし実力はしっかり出せているようにみえました。55.07。
リン・クラインクライラット&ローガン・ジュレッティ=シュミット。すっごい難しい名前!「ザ・トラブル・ウィズ・ラブ・イズ」。最初にSlLiから。てきぱきと上でポジションチェンジ。ツイズルはユニゾンがよくあっていました。パターンダンスはセクション2がちょっとばたばたしているように見えましたが、セクション1はしっかりできていたような。パターンダンスの終わりのところのつなぎの演技がかっこよかったです。MiStは男性がもっと思い切った演技をしてほしかった。最後はきれいなポジションの動きでかっこよかったです。パターンダンスがもっとうまくなればもっと上に来そうなので、FSが楽しみ。58.59。

サミュエルソン・ベイツはベイツがアキレス腱を切ってしまい、解説にサミュエルソンだけきてる。ベイツおだいじに。
FS。カヌーシオ・ロレーロから。「ウエストサイド物語」。ダンススピンから入ります。回転の速いスピン。てきぱきした滑りでスピードも出てますね。音楽をうまく使ったつなぎのステップ。CuLiはカヌーシオが上でしっかり演技してたし、SlLiはしっかりロレーロ弟がホールド。ツイズルはちょっと離れてしまいましたね。CiStはなめらかなエッジワーク。そのままRoLiにつなげてます。マンボの音楽になってDiSt。曲の躍動感をしっかり表現してますね。RoLiから最後の追加のリフトまで、しっかり勢いに乗って演じてました。よっしゃよっしゃ。まだ滑りで流れに乗り切れてないところもありますが、結構先行き楽しみなペアです。136.55。
チョック・ゼアライン。「キャバレー」。ツイズルは長く移動してるしユニゾンもばっちり。おもしろい音楽でCiSt。音楽をうまく使って表現してますね。よしよし。ダンススピンはチョックのポジションが表現力ありますね。といか常にしっかり表現を意識していて好感が持てます。SlLiは工夫されたエントランスとポジションチェンジでもイーグルがぶれない。CuLiは難しいポジション。RoLiと連続してきます。MiStは少し疲れてきたか。RoLiはしっかりがんばって最後までもってきました。いい演技でした!ベテランのような表現力をもってますね。154.62。ゼアラインはタカラジェンヌみたいなメイクになってました。
シブタニ兄妹。もうでてきた。チャップリン「スマイル」ほか。技術的にしっかりしていると小林さんの紹介があったが、ダンススピンからその技術をみせつけます。速い。滑りのなめらかさと技術が物語をどしどし生み出してますね。メリハリの付け方もほんとにうまい。CiStも一連の流れがまったくとぎれない。CuLi+RoLiで長い距離を移動してもスピードが落ちないしあふれる表現はもちろんそのまま。3連続ツイズルはまさにパーフェクト。何もかも完璧。SlLiは降ろし方に工夫。DiStは音楽にのって楽しそうに滑るところは表現の域を超えてます。これは演技じゃなく作品だ。最後のRoLiからフィニッシュまで、どこまでも映画の1シーンのようでした。藤森さんが品格という言葉で表現するんですよ。すばらしい。この兄妹こないだまでジュニアやったのに。小林さんも「こんなダンスを見たかったという人、多かったのでは」とのこと。僕らも見たかった!見られた!173.18!
侍る兄妹。「ジャングル・ビート」「モーメント・オブ・ラブ」ほか。最初からなかなかてきぱきとしたステップ。いいですね。CuLi。妹のポジションがパワフル。ツイズルはちょっと足つきましたか。CiStはテンポよくこなしてるし、CuLiは入り方がかっこいいですね。ダンススピンからCuLiは妹のパンツがすごいみえてました。なんとかしといてそこは。RoLiからMiStでフィニッシュ。うーんよくがんばってるんですよ。ほんとにがんばってるしいいところもあるんだけど、1つ悪いところがあるとすれば順番でした。141.70。
クラインクライラット・ジュレッティ=シュミット。長いなー。「アイ・ビロング・トウ・ユー」。最初からスピードにのってますね。SlLiはすごい難しいポジション!2人ともパワーありますね!ツイズルはよくできてる。CuLi+RoLiのロングリフトは迫力ありますねー。そんなにがたいよくみえませんが、男性のホールドはしっかりしてます。CiStはちょっとスピードが落ちてますが、そのあとのCuLiでまた超絶ポジション!アメリカの科学忍者隊や!そういえば女性の衣装もガッチャマンぽいぞ。ダンススピンはいいポジション。と思ったらMiStに行く前に転倒。あー今まですごいうまくいってたのにもったいない。ほんとにあそこだけでした。いい演技だった。まだまだリベンジの機会はありますよ。名前も長いし名前は覚えられないけどオマエたちは覚えた。138.42。次はいいところみせてくれよ。
デイヴィス・ホワイト。最後は横綱に締めてもらいましょう。映画「イル・ポスティーノ」より。しっかりプログラムを改良してるらしく、のっけからワールド全開。SlLiもパワーがあるところみせます。CiStのところが変わってるらしいですが、いつも通りすばらしいです。ツイズルはばっちりです。いうことなし。CuLiは音楽表現がすばらしい。それとそのあとのステップとのメリハリがまた効いてますね。細かい足の運びがあってもまったくスピードが落ちない。見つめ合うすばらしい部分からすぐダンススピン。回転が速い。RoLiはノエビア姉さんの腹筋がすばらしい!DiStからRoLi、最後のフィニッシュまでばっちり決めてきました。横綱相撲でした。なんともスポーティなタンゴで、このペアらしい演技でした。185.48。
表彰式でベルビン・アゴストが登場!ベルビンちゃんは相変わらず超絶美形でした。ベルビンちゃんはカーリングの練習をしているそうです。アゴストは何してるんだろう。
○最終結果:(ジョニー・ウィアー・スペシャルトークイベント風に)
1. デイヴィス・ホワイト・スペシャルトークイベント
2. シブタニ兄妹・スペシャルトークイベント
3. チョック・ゼアライン・スペシャルトークイベント
4. 侍る兄妹・スペシャルトークイベント
5. クラインなんとか・なんとかシュミット・スペシャルトークイベント
6. カヌーシオ&ロレーロ・スペシャルトークイベント
1位はデイヴィス・ホワイト。もはやアメリカでは無敵ですね。当たり前に優勝する、それが横綱の強さです。まだ世界チャンピオンになったことがないので(アメリカのチャンプはいない)、モティベーションもキープできるでしょう。今年はいけるかも。
でも今回はなんといってもシブタニ兄妹ですよ!今回のFSはNHK杯のときも感激しましたけど、今回の全米ではもっともっとよくなってました。このアスレチックでスポーティなプログラムが全盛の現在のアイスダンスに、奇跡のように現れた正統派アイスダンスカップル。今回の演技の気品はとうてい16と19のやつらとは思えません。妹の身長が伸びたのが表現力を高めているということもあるらしいです。まだちゃんとみてない方は四大陸と世界選手権にめでたく出ることになったので、そこでみてやってください。
3位はチョック・ゼアライン。4位は侍る兄妹。ほかのみんなもがんばってましたが、カヌーシオ&ロレーロは個人的に楽しみなペアです。

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フィギュアスケート全米選手権2011(6):アイスダンス への2件のフィードバック

  1. まうるー のコメント:

    シブタニ兄妹、素晴らしすぎて言葉が見つかりません!
    まだ16と19なんて…
    これからまだまだ成長するんでしょうね〜
    その過程を毎年楽しみに見守りたいです。

  2. マイク松 のコメント:

    まうるーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
    ほんとにすばらしかったですよね!
    兄のホールドがほんとに堂に入ってるというかなんというか、ばっちり決まってます。
    これからどこまでうまくなるのか、ほんとたのしみです!

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