フィギュアスケート欧州選手権2011(5):女子シングルFS

ショートプログラムに引き続き、実況は小林さん、解説は太田由希奈様。この仕事のために東京のホテルに宿泊(今は京都にいるので)。朝は東京の頃に練習していたスケートリンクに行って樋口地蔵尊にもあいさつしてきたそうですよ。
イタリアのアリーチェ・ガリーシ。「ロンド・カプリチオーソ」。予選3位の選手。3T-2T-2Loは入り方が面白いですね。、3Loはステップアウト。2S、3Loで転倒とちょっとジャンプミスが続いています。体型がとてもきれいなのでもっとジャンプが跳べそうなのですが。緊張しているのでしょうか。後半の3Sは成功。全体的にレベルアップが望まれますね。でも次世代のイタリア選手がいるのに安心しました。112.36
スロバキアのアレクサンドル・クノワ。トウステップから。3Tはランディングに流れがなかったけど、成功。2Lz、3S+1T、とランディングがもう一つ。3T+2Tはスピードがないのにまっすぐ跳び上がっているのできっとバネはあるんだと思う。スケーティングがもっと上手になればもっといいジャンプが跳べるんだけどな。スピン、ステップもスピードが欲しいところ。これからがんばって欲しいですね。105.86
ハンガリーのヴィクトリア・パブク。最初のジャンプが2Sに。3Lz+2Tは成功しましたが、踏切がどうでしょうねーと由希奈さん。3Fは問題なく成功。衣装に肌色の部分が多いと衣装にもこだわりをみせる由希奈さん。さすが樋口先生のお弟子さん。エレガントにこだわります。パブクはもっとできる子だと思うので、今日のジャンプは残念ですね。パブクはユリア・シェベスチェンは引退したので、ハンガリー国内チャンピオンになったそうです。112.70
ブルガリアのリスティナ・ワッシリーワ(?)。初出場だけど26歳。由希奈さんも「26歳なんですね」と驚きが。3Fはオッケーだったのですが、、次の3Fは1Fになってしまい、コンビネーションにもなりませんでした。3Tも単独ジャンプ。2Aは高さがありますね。SlStはちょっと単調かな。世界選手権は2回出場しているそうですよ。2Aも成功。シットスピンは形に工夫が。スパイラルはきれいですね。3T+2Tは2つめのジャンプで体勢を崩しましたが、がんばりました。最後のスピンは回転数が足りなかったかな。106.79
デンマークのカリーナ・ジョンソン。国内では3連覇中。3Tは手をついてしまいましたか。3Lzはオッケー。次は3S+1Tとミスがちょこちょこでてます。この振り付けの方が、由希奈ちゃんをアイスショーにスカウトした人らしいです。3Lo、3Sも成功。お父さんがアメリカ人のスケーターらしいのですが、それらしいきちんとしたスケーティングで見ていて安心感があります。姿勢がもっといいといいのにと由希奈さん。それからこの曲を聴くとミシェル・クワンを思い出すとだんだん自由トークに。121.63
スロベニアのダシャ・グルム。綴りがGRM(多分)母音が1つも入ってない!随分かわいらしい選手。スケートが上手そうな体型。3Fは流れがありますね。スピンもなかなかいい。2Aもオッケー。しかし3Tでちょっとステップアウト。3Lzの予定だと思うのですが、2Lzになってしまい、その後も1A+2T+1Loとちょっとミスが続きます。なかなか楽しみな選手だと思います。ジャンプはいいので、もっといい振り付け師を探せ(意訳)と由希奈さん。112.54
このスケートリンクはアイスホッケーに使われていてその時は17000人収容の熱気ムンムンらしくて、そのせい(?)で暖房がないとか。そりゃ、暖まるね。
ロシアのアレーナ・レオノワ。「イーストウィックの魔女たち」。スピードが今までの選手と全く違いますね。3T+3Tも見事。3Lz、3Loも決まって魔女笑いも自然に。3F+2Tもオッケー。由希奈さんも「調子が良さそうですね」。曲表現がロシアらしく複雑ですよね。男子フリーのガチンスキーは難解と言ってもいいぐらいでしたが。2S+2T+2Loは最初のサルコーが残念ですが、流れはいい。2Aはオッケー。3Fもちょっとランディングがもう一つでしたが、ジャンプは全体的に良かったので、SlStはノリノリです。最後もガッツポーズ3回。激しいな。154.31
エストニアのスヴェトラーナ・イッサコワ。初出場の17歳。3T+2T+2Lo、2Aと成功。3Fは1Fになってしまいましたが、もう一度跳んだ3Fは成功。SlStは上半身をもっと使って欲しいと由希奈さんのアドバイス。後半に入って2Aは成功しましたが、3Sで転倒、残念。3T+2Tは成功しました。ビールマンスピンを見るとこの人は背中が硬いのかもしれませんね。最後はスパイラルで終わる割と珍しい構成。118.44
フィンランドのユリア・トゥッキラ(?)。「ドンキホーテ」。すごいきれいな人、出てきた。2Aはいいですね。3T+2Tも流れがあります。3S+2Tもいい。バレエの動きが美しいけど、余裕がないのかただ滑る部分があるのが残念。2Sになってしまいましたが、次の3T、2Aはいいですね。見事なスパイラルですね。もー、フィンランドは次々出てくるな。3Lzはステップアウトになってしまいました。スピンもきれいだな。ステップの途中のポーズが美しい。これは磨けば欧州チャンピオンになる逸材ですね、16歳ですから、ソチオリンピックが楽しみです。131.38。
「スケーターはバレリーナではないのでしっかり滑らなくてはならない」、出ました、由希奈語録。
スイスのロミー・ビューラー。最初の挑戦の3Lzは1Lzになってしまいましたが、3S+2T、3T+2Tは成功。2Aも何とか成功。再び3T+2T、こちらの方が良かったですね。さすがにスピンが個性的。やっぱりお家芸だから。ステップは軽やかでいいですね。最後のビールマンスピンの後にシットスピンというコンビネーションスピンでフィニッシュ。がんばりました。ジャンプの種類が増えると楽しみですね。国内選手権2位だったそうです。がんばって!122.33
ルクセンブルグのフローラ・マックスウェル。久しぶりだなあ。身体めっちゃやわらかい選手なんですよね。「ペールギュント」。3Tは両手をついてしまいました。3Loは転倒。身のこなしはとても美しいのですが。3S+2Tは成功。スパイラルは見事ですね。1A+1Lo+2Sになってしまって残念ですね。3Tもセカンドジャンプがつかず、2Sとジャンプは散々ですが、スピンとかステップは見応えがあります。音楽とよくマッチしています。最後もキャロライン・ジャンも真っ青というぐらい個性的なスピン。ジャンプとスケート以外はすごいんだけどなー。もっと見たい選手なんだけどなー。110.59
樋口先生は悪い時は「しょうがないじゃない、次がんばりなさいよ」と言うらしいですよ。いい時は「そこまでいい演技をしたことがなかった・・・」と由希奈さんはコメントしていました。由希奈さんは縄跳びが得意で三重跳びを良くしていたとか。すげー。
エストニアのゲリー・リナマエ(?)。3T+2Tはいいジャンプですね。3Fもいいですね。スパイラルもきれいですね。顔がもっと上を向いた方がいいと由希奈さん。3S、2A+2T+2Tと淡々と進んでいきますね。1つずつはとてもいいのですが、何かもう少し物足りないような。3S+2T、3Tといいジャンプですね。ランディングがもうちょっと良くなればさらに見栄えが良くなるとのこと。確かに。なんか見ていて寂しいんだな。しかし、この人も期待できそうですね。基礎はもうできているから1つずつを磨いていくだけ。これにビッグジャンプが入ればメダルも取れそう。133.73
イタリアのヴァレンティナ・マルケイ。「こうもり」。3Lzは成功、しかし3Fは転倒。残念。3Sは手をつきかけましたがこらえました。何気ない手の動かし方が、モロゾフっぽいですね。3Lzで転倒、2Tとジャンプミスが続いてしまいます。2Aはランディングが乱れたもののこらえて、3Sもなんとか。この曲を聴くとキム・ユナを思い出しちゃうな。今日はジャンプミスも多かったけど、マルケイなりにまとめた感じです。由希奈さんもさっきまでの選手に比べて洗練されていると評価。137.44
ドイツのサラ・ヘッケン。シンプルだけど工夫された衣装ですね。3T+3Tは2つめで転倒、残念。3Lzも転倒。2Aはちゃんと跳べました、よかった。3Loも両足着氷っぽい。3S+2T+2Tはオッケー。3S、2A+2Tと後半のジャンプは成功。身体が冷えていたのかな。SlStは手拍子にのって。「ずっと口が開いてますね」と唐突に由希奈さん。この唐突さが正統な佐藤有香の後継者に思える。確かに疲れてそうだけれども。137.43
ベルギーのイーラ・ヴァナット。16歳。3Lz+2T、3Lzといいジャンプですね。3Fも成功。ビールマンスピンも形がいい。3Lo+2Loもステキ。2Aはステッピングアウトになってしまいました。CiStはちょっと物足りないけど、まだまだこれからの選手ですから。3S、2A+2T+2Loとジャンプは全て成功ですね。いいなー。イーラだけに、スルツカヤみたいな選手になって欲しい。150.66
フランスのマエ・ベレニス・メイテ。3Lo+2Tは良かったのですが、、3Lzで転倒。3Fはオッケー。この人のビールマンスピンもいいなあ。唐突に「腰の位置が高いですね」「バイオリンが趣味だそうですね」と自由。3Loは成功しましたが、3Lzで再び転倒。今日はルッツがダメな日みたいですね。3T+2Aのシークエンス、2Aはなんとか。疲れてしまったみたいで、持ち味の躍動感が消えてしまいました。緊張かな。138.74
スペインのソニア・ラフエンテ。「レ・ミゼラブル」。衣装は相変わらずいじめにあってるような地味衣装。3Fは転倒。スピードがありませんでしたね。2Lo+2T、2A、3T+2T+2Loはふわっと軽いジャンプですね。3Loはきれいでした。イーグルからの2A+2T、2T。うーん、どこかでもう一つ3Tにしたかったですね。終わった後の表情もさえない。135.82
イギリスのジェナ・マッコーケル。3Tの予定が2Tに。3Lzは成功。3Fは転倒。失敗と成功がしましま模様。2Aはオッケー。3F+2Tもよかった。3T+2Tの最初のジャンプは高かった、2つめでバランスを崩したのがもったいない。1A+2T+2Tはシングルだけどコンビネーションにしたところにガッツを感じます。ちょっとジャンプミスが多くてフィニッシュの後に頭をぽんとたたきました。132.15。うーん、残念な結果。
最終グループ。
ロシアのクセニア・マカロワ。「エビータ」。3Lzは着氷が乱れてしまいまいたが、3T+3Tは美しい。やはり最終グループはまたレベルが違いますね。3Loは2Loになってしまって転倒と惜しいですが、スケーティングのスピードがあります。再び3Loのところで1Lo。意識しすぎかな。2A+2T+2Lo、3S+2T、2Aと3Lo以外はとてもいいのですが。スピンも上手いですね。見る度にマカロワは上手くなっているような気がします。世界選手権も楽しみ。162.04。ループだけだった・・・。
イタリアのカロリーナ・コストナー。「牧神の午後への前奏曲」。3Fは高さがありましたが、ステップアウト。2Aは優雅。2A+3Tも成功。由希奈さんからも「滑らかですねー」との言葉。スピンの回転も素晴らしいですね。手の動きも芸術的。3Sも流れがあります。3Lo+2Tはバランスを崩しましたが、こらえました。しかし、3Loで転倒。コストナーもループか・・・。3S+2Tもきれいなジャンプですね。最後のポーズも彫刻みたい。いいですねー。転倒はもったいなかったけど、別次元。由希奈さんも思わず拍手していたそうです。「見ていたいと思わせるスケーター」・・・私にとってはオマエもだがな。168.54
フィンランドのキーラ・コルピ。「エビータ」。もうどんだけ美しいエビータ対決ですか!最初からスピードがある。しかし、ジャンプに繋がらない!3Tが単独ジャンプに。3Lzでは手をついてしまいました。プレッシャーかな。3Loでも考えられないような転倒。観客も思わずひーっという声が漏れます。3Fは持ちこたえました。3S+2Tはきれい。3Lo+2T+2Loもオッケー。SlStも、少し固いかな。2A+2Tは2つめが低かったけど、回りきりました。SPでコストナーと10点差があって、ジャンプ構成もコルピの方が上だったので、実力を出し切ればほぼ初優勝だと思われたのですが。うーん、まだまだ経験不足かな。166.40。
グルジアのエレーネ・ゲデバニシビリ。「オペラ座の怪人」。衣装がかわいくなっている!かわいすぎでは。3Lz+2Tはルッツが高い!3T+2Tといいジャンプが続いたのに、次が1Lzと残念。2A+2Tは大丈夫。しかし3Sで転倒。うーん、残念。スパイラルはすごいですね。3Tはあまり高さがなかったけどがんばりました。2Aもオッケー。SlStはちょっとシンプルな気が。最後のポーズが決まりきれませんでしたね。ちょっとしょんぼり。それにしても、ジャンプが良くなってますね。147.96
スウェーデンのヴィクトリア・ヘルゲソン。3Lzはいいですね。2F+2T+2Loは最初が残念。3Loも成功。この振り付けは元スウェーデンチャンピオンの振り付け師さんだそうですよ。CiStも自然に入っているので由希奈ちゃんも気づかないうちに終わってしまいました。その後スパイラルも自然に組み込まれていて、ステキですね。3Tは回転不足かな。3Lo+1Tは最初のジャンプの後手をついてしまいました。3Sが2Sになってしまった後、何でもないところで転倒。2A+2Aは成功。なかなか良かったですね。151.66
スイスのサラ・マイヤー。これがアマチュア最後の演技。気迫のある表情です。映画「コレラの時代の愛」。3Lz+2Tはいいジャンプで会場も沸きます。3F+2Tもオッケー。2A、2Aと一つ一つのジャンプに歓声がすごい。3Lz、3Sも成功。スパイラルは見事ですね。3S+1Tはどうにかコンビネーションに。SlStは手拍子にのって。音楽に良くあってます。そして最後のレイバックスピン。ほぼノーミスでやり遂げました!感極まるサラ・マイヤーですが、実況席も感動しているようです。ランビエールも拍手を送ります。もちろん観客席は総立ちです。すごいよかったですねー。170.60。初優勝です、サラ・マイヤー。すごい歓声です、みんな涙。もうキーボードを打つ私も涙。それからコストナーやコルピも喜んでいるようで・・・いいですね。これがフィギュアスケートの美しさ。優勝インタビューはランビエール。インタビューはドイツ語?だったので全く分かりませんでしたが、共に一時代を支えたスイス代表の同志、2人の気持ちが伝わってくるインタビューでした。
1 サラ・マイヤー
2 カロリーナ・コストナー
3 キーラ・コルピ
4 クセニア・マカロワ
5 アレーナ・レオノワ
6 ヴィクトリア・ヘルゲソン
いやー、感動的な試合でしたね。初優勝で有終の美を飾ったサラ・マイヤー。それを祝福するコストナーとコルピ。表彰台でも2人とも嬉しそうでした。ここ数年故障で輝きを失っていたマイヤーがまさか優勝するとは。引退しなくてもいいのでは、とも思います。
コストナーはSPで出遅れさえしなければ優勝でしたね。ぜひ世界選手権では両方揃えて。3位のコルピもステキでした。得意のループで転倒ですから、緊張したんでしょうね。
4位のマカロワ、5位のレオノワはもう一歩で表彰台。ロシア国歌が流れる日もそう遠くなさそう。それにしても6位のヘルゲソンも良くやりました。流れが素晴らしい。
由希奈さんの解説はとても面白かったです。もう1人でも充分やれますな。でも、マイヤーを見て、もう一度オリンピックを目指そうっていう気持ちになっても大歓迎です。(←まだいうか)

カテゴリー: フィギュアスケート パーマリンク

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