フィギュアスケートグランプリシリーズ ファイナル2013(6):女子シングルFS

最近、切り干し大根の煮物を旨いと思うようになりました、富井です。子供の頃はがっかりメニューの常連だったのに、味覚は変わりますね。豆腐もしみじみ旨い。さて、しみじみ上手い女子シングルです。解説は荒川さん、実況は森下さん。
ロシアのアンナ・パゴリラヤ。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」。3Lz+3Tは着氷がやや揺れましたが、たいしたミスではありません。3Lo+1Lo+3Sもオッケー。3Lzは流れのある良いジャンプ。ドーナツスピンも形がきれい。ステップもスピードがありますね。上半身もよく使えています。3Lo+2Tは片手をあげて。2Aはステップアウトになってしまったのが残念。スパイラルも雄大。2Aはやっぱりもう一つ着氷がなめらかではありませんね。苦手なんでしょうか。そして最後の3Fで転倒。うーん、後半ちょっと疲れてしまいましたかね。ロシア人ばっかりのファイナルだと緊張するなという方が難しいでしょう。171.88
ロシアのエレーナ・ラジオノワ。映画「フリーダ」。3Lz+3Tはオッケー。3Fもオッケー。3Lo+1Lo+3Sも成功。しかし3Lzは転倒、これもめずらしい。しかしその後の2A、3T+2T、2Aと成功させます。しかしニコニコ滑っているのが大物感たっぷり。ステップは華やかでラテンのリズムを陽気に表現してます。スピンの回転が速い。最後はちょっと音楽が足りない感じだったのかもしれませんが、上手く合わせました。オリンピックがかかってないから余裕があるとはいえ、来年からもこの笑顔のまま滑り続けて欲しいものです。183.02
ロシアのユリア・リプニツカヤ。映画「シンドラーのリスト」。滑りがいい!3Lz+3Tは高さのある良いジャンプ。2A+3T+2Tは3Tの高さが印象的。スピンは軸がきれい。繊細なステップが素晴らしい。体の使い方が上手。体幹が強いんでしょうね。3Fもオッケー。2Aもいいですね。3Lo+2Tのジャンプのあとに手を伸ばすところが切ない。3Sはちょっと高さがありませんでしたが何とかこらえました。3Lzはオッケー。そして圧巻のスピン。スパイラルは最近みんな短いけど持ち味を生かして見応えがあります。最後のスピンの回転も素晴らしい。福岡のお客さんもスタンディングオベーション。すごい出来だ。192.07
アメリカのアシュリー・ワグナー。「ロミオとジュリエット」。3F+3Tはスピードも幅も申し分ないジャンプですね。2Aが終わってすぐバレエジャンプ。3Sも良い。ステップはさすが円熟の味。3Lo+2A+SEQ、もオッケー。しかし次の3Lzは転倒。ちょっと元気がないかな。そして続く3Loは両足着氷になってしまいました。3F+2Tも最初が両足着氷。後ろに滑っていくスパイラルが良いですね。最後への盛り上がりにもやや欠けますが、最後まで投げやりになったりしないところがワグナー。キスクラの態度も堂々としていて素敵。187.61
ロシアのアデリナ・ソトニコワ。「ロンド・カプリチオーソ」。3Lz+3Loは高い。3Fは両足になってしまいました。そして1Loになってしまいました。3Lz+3Loは負担が重すぎたのではないでしょうか。モダンバレエのような表現のステップ2A+3Tは素晴らしい。3Fは転倒。今日はフリップがだめな日だ・・・とおもったら3Sも転倒。2Aはこらえましたがちょっとミスが大きくて残念。最後のステップはいつもよりスピードがありませんね。どこか痛めたのかな。最後のスピンも回転が上手くいきませんでした。うーん、めずらしい。でも、最初の3Lz+3Loを決めたのはすごいですね。173.30
浅田真央。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。最初の3Aは転倒しましたが、何事もなかったように3A+SEQは両足着氷になってしまいました。3Fは見事。スピンも回転がきれいでぴたっと止まるところが美しい。2A+3Tはいいですね。3Sもオッケー。3F+2Lo+2Loはバランスを崩しながらも崩れないところがすごい。3Loは見事。ステップはすごい密度ですね。最後スパイラルで終わるところも印象的。うーん、やっぱり3Aを2回は大変なんですね。3A以外はいつも通り完璧。204.02
○最終結果(和食が無形文化遺産になったらしいので)
1.浅田定食
2.リプニツカヤ定食
3.ワグナー定食
4.ラジオノワ定食
5.ソトニコワ定食
6.パゴリラヤ定食
浅田真央はもう別次元だなと思う一方、個人的には3Aを1度にして完璧なプログラムを目指す方が確実に金メダルがとれるような気がしますが、勝ち負けより道を極めるのが浅田のやり方なのでしょう。日本の選手で誰が武将ぽいって一番は浅田真央なのでしょう。
で、2位にリプニツカヤ。次世代のエースに推したいとマイク松が書いてましたが、2位になったんですね。今年のプログラムはどちらも名作だと思いますし、身体の柔らかさだけの選手じゃなくなったのがすごいと思います。私はトップペア選手の張り詰めたような美しさがあるのが魅力だと思います。
3位のワグナーは今日はちょっと精彩を欠いていましたが、それでも大きく崩れないのがさすがワグナーだと思います。
ラジオノワはあのまますくすく育って欲しいし、ソトニコワはもうちょっと周りが勝てるようにプログラムを手直ししてあげるべきだと思います。なんか要求レベルが高すぎるような気がします。上手くいくときは良いのですが。パゴリラヤも普通の大会なら優勝してもおかしくない出来。あの優雅さを生かして個性的な選手に育って欲しいです。

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