カネモト引退。ほんとにおつかれさまでした。最後はめっちゃ笑顔で終わっててうれしかったマイク松ですこんにちは。ヤジったファンのことはだいぶ恨んでるようでしたが、いいあいさつでしたよ。
さて、そんなカネモトに迫る、いや実はカネモトよりも年が上のスケーターまで登場する競技会があるんです!それがメダリスト・ウィナーズ・オープン。すてきな大会ができました。見る前から期待でいっぱいです。絶対おもしろいわ。
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メダリスト・ウィナーズ・オープン2012。実況は小島さん、解説はジュンジュン。
今回はみんながFSで競い(男子3分30秒、女子3分)、ジャンプは3つ、そのうち1つはコンビネーションorシークエンスですが、ショー方式で音楽、照明、小道具も使っていいという仕様のようです。これはオリジナリティがありますよね。
まずは女子から。スタートリストはマイヤー、マイズナー、レピスト、ロシェット姉さん、荒川姐さん、スルツカヤ。誰も彼も楽しみ。
サラ・マイヤー。クリスティーナ・アギレラ「Not Myself Tonight」。2Lzからスタート。若干むちむちしてますが体のキレはいいですね。2A+2Aもしっかり決めてます。音楽にもしっかりのってる。2Aからステップ。あ!肩の部品がはずれた!それをもってぽんぽん的に使って、また肩に戻してる。すごいな。これはおもしろい!そしてスピンはさすがの出来。いいポジションです。そして肩のパーツを今度は腰につけてる。おもしろい衣装です。ドーナツポジションへの変化でもぶれない。また質の高いスピンのあと、最後は腰の部品をはずしてフィニッシュ。衣装をうまく使ってたし、ちゃんとアピールする滑りでした。54.53。いやーマイヤーが元気そうでよかったわい。
キミー・マイズナー。マイズナーは2009年より競技から離れていましたが、競技に復帰するつもりのようです。ビッグニュースや。ニーノ・ロータ「ロミオとジュリエット」。3Tからスタート。3Loを狙ったかもですがシングルに。スピンのポジションはいいし、Y字スピンはとてもよかったです。4年休んでも23歳ですからね。スピンをはじめ演技の安定感はそのまま。2Aは成功しましたがコンビネーションにできませんでしたね。SlStはキレもいいし、バレエジャンプのよさも健在。最後まできっちりフィニッシュ。これはいい演技でしたね。リスタートとして上出来でしょう。本当に復帰するならいいことですが、マイズナーが上位にこなくても、まだリンクを滑っていることがわかっただけでうれしかった。全世界3万人のキミーボーイズバンザイ。51.90。
ラウラ・レピスト。けがに悩まされて引退していましたが、今どうなんだろう。「マラゲーニャ」。最初の動きはさすがに現役のキレですね。こんなに表現力あったっけ?レイバックスピンは回転速度がすばらしい。フィンランド仕様。最初のジャンプは1A、2Aも手をつきました。2T+2Tとコンビネーションはつけました。このジャンプが戻れば今でもフィンランドのトップ選手ですね。フラメンコにのせたステップも見事。チェンジオブペースもなめらかだし、手の動きがすてき。現役の時ここまで出せてたかなと考えさせられます。最後はステップのままフィニッシュ。ジャンプを戻して早く復帰してください。メイクとかも現役より上手くなりましたよね。52.98。
ジョアニー・ロシェット姉さん。おおー久しぶり!姉さんの戦い(筋肉的な)はまだおわらない。フランス・ダムール「For me…Formidable」。サングラスで滑ってます。さすがの表現力。ロシェット姉さんのいいところはFSの競技用のプログラムでも華やかさを出せるところですよね。3T+2T決めてきました!早く戻ってきて姉さん!しっかりお客さんにもアピールしながら、キレのいいスピンをてきぱき決めます。そして強靱な広背筋をアピール。3Sも流れがある。スカーフをはずしてフライングキャメルスピン。滑り全体にスピードがあります。そして3Tも楽々。スパイラルからいい雰囲気の照明の中、スピンでフィニッシュ。やはり今でもロシェット姉さんは最高でした。筋肉的にも、競技的にも。さっさと戻って、カナダの枠をとってきてください。63.47。
荒川静香姐さん。正直今でも現役に近いコンディションを保っているという評判。どういう演技をしてくれるんでしょうか。クライズラー&カンパニー「白鳥の湖」。2A+3T決めてきました!ぎゃー!!3Tもキレがいいし、流れを全然切らない。ドーナツスピンも明らかに現役レベル。スパイラルも見事見事。次は2Sになりましたが、スピンの安定感、Y字スピンの見事さ。小島さんも物語を紡いでるっていってる。しっかりアピールしてSlSt。あっという間にはじからはじまで。中央でのコンビネーションスピンから、最後は荒川姐さんのイナバウアーでフィニッシュ。追い求めている高みがまだまだあるんだなと思わせる滑りでした。荒川姐さんはいつでも姐さんなんだ。64.80!きました!
イリーナ・スルツカヤ。いわれなくてもスルツカヤが今でも最強ですよ。僕の中では。安心してください。ポール・モーリア「Le Cocher de la troika」。かわいい最初から、いきなり3F決めてきました!高いし。3Lo+1Tとここでコンビネーションをつけてますね。なんだそのジャンプの高さ。スピンから音楽が変わって、なめらかなCiStも、ジュンジュンのいうとおりほんとに楽しそう。戦いの場に戻った充実感。2Aもしっかり。動きに吸い付くような手の表現力。最後のスピンもフィニッシュもばっちりでした!さすがです!ジャンプの高さがすごい。フェンスの上に腰まで浮いてますものね。僕らのスルツカヤはまったく健在でした。それがわかって死ぬほどうれしい。61.97。
荒川姐さんは優勝ですが、リンクサイドでぼんやりしていました。結構面白かった。
○女子結果:
1. 荒川姐さん
2. ロシェット姉さん
3. スルツカヤ姉さん
4. マイヤーちゃん
5. レピストちゃん
6. マイズナーちゃん
続いて男子。スタートリストはバトル、ホンダバン、ヤグディン、キャンデロロ、クーリック、カート・ブラウニング。
ジェフリー・バトル。いきなりバトルか。the Irrepressibles「In This Shirt」。いきなり強烈な表現力。モダンダンサーの振り付けを表現しているそうです。いきなり高速で動き出したと思ったらすぐ3Lz。メリハリがすばらしい。そこにたくさんの物語が詰まってます。3T+3Tも難なく。まったくぶれないスピン。回りながらの表現もすばらしい。SlStもエッジワークが流れるように。プロのいいところを十分織り込んだFSですよね。エレメンツの切れ目が全然ないし、上下の動きも見事なCiSt。コンビネーションスピンのポジションも完璧。見事な演技、見事な演技。あかん、最初に滑ったらあかんわ。これどうやったら勝てるんやろう。フィギュアスケートのいいところが全て詰まってる演技。83.40!これどういうスコア?プロがこれ出せるのん?
宇宙刑事ホンダバン。プッチーニ「トスカ」。結構絞ってきてますよね。ちょっと期待。最初のスピンからスタート。そして3F+2Tを跳んできました!クラッシュしてないどころか、高さのあるジャンプ。これはホンダバンのジャンプですね。きれいなエッジワークから、3A跳んできました!よっしゃよっしゃ。いいポジションのスピン、これは弟子どもにも自慢できます。イーグルののびはいまだ世界一。次の3Tはダブル。ステップから大きなイーグルで会場を魅了します。終わりのタイミングが微妙なのも変わらない。すばらしい滑りでした!日本を一人で引っ張ってきたホンダバン、その輝きはいまだに鈍く輝いています。キスクラに荒川姐さんがきてくれました。69.32。うん、順番が悪かっただけやでホンダバン。
アレクセイ・ヤグディン。今は役者もやってるらしい。フードをかぶって登場。U.N.K.L.E「Burn My Shadow」。滑ってぱっと威厳をみせられるというのはさすが。3Tもばっちり成功。3Sももちこたえました。照明をうまく使って、追われる人をうまく表現してます。ダンスのキレもいいし、高速ステップで魅了。役者経験が表現力にすごい幅をもたせてますね。3T+2Tを決めてCiSt。逃走劇からお父さんステップにつなげる展開、これはおもしろい。メリハリも効いてるし、音楽をうまく使ってる。そして激しいSlSt。これは気合いの密度。スピンから最後もストーリーを作ってました。さすがヤグディンというところですね。プル兄さんと並ぶ英雄は生き続けていました。たぶんジュベールお父さんはこういうのがほんとはやりたいんだろうなと思わせます。69.10。うれしそう。
フィリップ・キャンデロロ。40歳。40歳ですよ。カネモトと4つしか違わない。なんかサプライズを1つ用意してるらしいぞ。マキシム・ロドリゲス「三銃士」。全部構成まで同じだ。3Lzは転倒し、2T+2Tになりましたが、これもまた感動を呼びます。40になっても跳び続けてるんですよ。そしてほんとのシットスピン、キャンデロロ・スピンをここで披露。スローパートではジャッジにからんでいきます。そんなストーリーはないよ。3Tは転倒しましたが場内が息をのみます。絶叫のあとSlSt。すごい!すごい!壮絶な物語が!よみがえるどころか新しく作ってます!2往復して戦いを表現したあと、バックフリップを披露!高いし、ジャンプは失敗してもこっちは降りてます!最後まで雰囲気を作ってフィニッシュ。これが40歳の演技か。誰よりも楽しませた。51.40に場内からも笑いが。それでこそキャンデロロ。この大会に呼べてよかった。キャンデロロがメダルとっててよかった。
イリヤ・クーリック。ショーの経験は十分、体もできてますね。「Kashmir」。3Fはツーフット。大きくリンクを使う滑りはいいですね。3Lzはきれいに決めてきました。いいジャンプ。イーグルからスピン。どこまでもポジションがいいし、くせを感じないなめらかさが魅力ですよね。しっかりつなぎを入れながら、3Lz+2Tを成功!クーリックのルッツはほんと教科書通りの美しさ。スパイラルも披露、投げキッスからSlSt。ジュンジュンのいうようにチェンジオブペース、メリハリ、密度、競技用に作ってるステップですよね。スピンも基本を感じさせる出来。さすがでした。僕らがクーリックにあこがれた理由を思い出しました。あいつはどこまでも美しくかっこよかったんでした。69.93。2位にきました!胸毛の濃さも隠れた魅力だぞ。
カート・ブラウニング。46歳。すごい。「雨に唄えば」。傘を持って登場。エッジワークはほんと見事。物語の中を滑るスタンド能力をもつブラウニングおじちゃん。未知のエッジワークを次々と。2Sはちょっと回りすぎたか。でも切れ目が全然わからない。気がついたらジャンプ跳んでました。傘もうまく使いながら、スムーズなエッジワーク、そして3T+2T。まいったわおじちゃん。その滑り方どうやるの?って動きばかり。傘を持ったままステップからの2A。46歳の笑顔、勢い、そして哀愁。どこまでも素敵でした。正直よくわからないニックネームは好きじゃありませんが、しょうがない、おじちゃんはレジェンドであり、神様ですから。71.57!ぐわー!46歳が2位に!
でもまあバトルはすごすぎました。でもみんなすごかった。
○男子結果:
1. バトル兄ちゃん
2. ブラウニングおじちゃん46歳
3. クーリック兄ちゃん
4. 宇宙刑事ホンダバン
5. ヤグディンアニキ
6. キャンデロロおっちゃん40歳
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これめっちゃいい大会じゃないですか!
いやーよかった。レジェンドどもの滑りはそりゃ現役には及ばないかもしれませんが、現役にはできないものがありました。そりゃ順位と点数は大事ですが、「点数なんて飾りです、えらい人にはそれがわからんのです」という格言の意味がよくわかりました。
アイスショーで伝説の選手達はもちろんみられるんですが、アイスショーの部分も残しながら、競技の形式をとっているのがすてき。日本っぽいですよね。こういうのはどんどん続けてほしいです。
ものは相談なんですが、カナダにものすごいうまいダンスのできるスケーターがいるんですよね。その人は金メダルとかはないんですが、グランプリシリーズファイナルで実はプル兄さんに勝ったことがあるんです。その辺でなんとか出してくれませんでしょうかね。盛り上げますよー。
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最近のコメント
こんにちは。はじめまして。
楽しいレポありがとうございます。いつも読ませて頂いてます。
バトル君ホント凄かったですね!
のっけから「男前」ではじめる紹介VTRは
どこのジャニース(苦笑)と笑ってしまいましたが(*^_^*)
その後の6分間練習での衣装見て「なんじゃこの日曜日のお父さんは?!」
と思い、いったいどんな演技をするのやら、と思っていたら…
しょっぱなから目が釘付け、どこまでも美しいポジション
イーグル~3ルッツ~シャツを持ってのツイズルでは一瞬鳥肌たちました。
音ハメ完璧、曲調に合わせての振付も見事、素晴らしい、
足元は常に滑ってるし、これぞまさにフィギュアスケート!!
ここ最近男子ではまた4回転が重要になってきて
一時のように4回転が無いとトップに行けない傾向になりつつありますが
確かにスポーツですからそう言う部分も必要だとは思いますが
今の現役選手には(偉そうな書き方ですが)
バトルのこの演技からいろいろと学んでほしいと思いました。
JOの方も見ましたがこちらも素晴らしかった!
昨年のプロも素晴らしかったし、テレ東のアナウンサーも言っていましたが
どんなジャンルの音楽でも自分のモノにできる。
バトルはクワドこそありませんが、(それで現役時代一部でさんざん叩かれてましたね)
そのパフォーマン・普段の言動・人柄含めて
全てのフィギュアスケーターたちのお手本となるべきスケーターだと思いました。
そしてそのバトルが「憧れのスケーター」と常に言っているカートも凄かった!
驚くべき46歳。なんであの動きが出来るの、ここ氷の上なんですけど?!
そして今すぐ現役復帰してもカナダチャンピオンになれそうなロシェットといい
カナダのレジェント組恐るべし。
少し興奮気味で、初めての書き込みで長文になってしまいました。(汗)
失礼いたしました。
ふぁんふぁんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おもしろかったですよねーこの大会。
おっしゃるとおり、バトルは現役時代からの課題をプロをやりながらもずっと追求してますよね。エッジワークはほんとすばらしいです。
パトリックちゃんが競技の方を引き受けてくれるからできるんでしょうけど、その追求はずっと応援していきたいですね。