フィギュアスケート全日本選手権2011(1):男子シングルSP

「そう…『そこ』だ…」(ピッ<再生ボタン)
「ああッ!『死の呪文』がッ!まったく『排除』されているッッ!」
「今のオレにはポ・エムの無駄口実況の終わりがはっきりと…『見える』…」
「無駄口の終わりと演技の始まりに寸分狂いなくッ!『早送り』されているぞッッ!!」
「『レディ・ナビゲーション(女子の操縦)』…これがオレの『能力』だ…オマエにはできないのか…?」

ジョジョリオン(1)、ようやく読んだマイク松ですこんにちは。ほんとにおもしろい。のっけから得意の展開ですね。謎が謎を呼ぶ。
さて!フィギュアスケートシーズンもグランプリシリーズが終わり、いよいよ全日本選手権です!楽しみですね。
しかしCXが独占中継をする全日本は、フィギュアスケートシーズンの中でも苦行の大会。ミンポーらしい紹介VTRの嵐、存在意義のよくわからないメインキャスターの人たち、進歩のない実況。特に女子シングルを担当する人、通称ポ・エムの口からお吐きになる無駄口は死の危険すら感じさせる苦痛をわれわれに強いてきます。不条理劇のようです。
しかし!よく考えてみるとすでにレビューを始めて6シーズン目になるわれわれ。その苦痛を排除する能力を身につけました。それが度重なる苦痛によって身につけた富井の早送り能力。いつもぴったりのところで再生ボタンが押せるようになっているのです。僕にはちょっと無理なんですよね。
でも今日はおそらくポ・エムの登場しない男子シングルSP。いくぶん気が楽です。

フィギュアスケート全日本選手権、男子シングルSP。実況は西岡さん、解説は荒川姐さんとホンダバン。
田中刑事。ディティクティブ久しぶりー!ピアソラ「ヴィオレンタンゴ」。なかなかしっかり解釈してるじゃないですか。3Aもしっかり成功。3F+3Tも流れがある。あと1つしっかり決めたいですね。スピンも回転はともかくポジションはいいですね。ステップからの3Lzも決まりました!いいですね刑事!同じ刑事(宇宙刑事)としてホンダバンもうれしそう。CiStはなんかヒーローものの音楽に聞こえる。ディティクティブだからか。ともかくしっかりまとめました!しっかり上位に食い込んでいけるかな。67.48。
どんどん紹介VTRが早送りで流れていく。CMもどんどん流れていく。
宇野昌磨。全日本ジュニア5位。どんな演技をみせてくれるのか。映画「タッカー」より。おおっいい出だしですね。うまくなりそう。ステップからの3Loも流れよく決めてますね。3F+2Tもまずまず。がんばってスピード出してます。スピンはうまい。ドーナツポジションも決めてから速くなる。2Aもクリーンです。おおシットポジションがとてもきれいですね。SlStも音楽との調和がセンスありますね。まだちっちゃいけど大きく育ってほしい。今後が楽しみですね。63.49!いい点出ましたね。山田コーチの弟子なんだ。
日野龍樹。全日本ジュニアチャンプ。セーラー服だ。セクスィー部長みたいなすごいいい顔。羽生と田中と同年代だそうです。グリエール「ロシア水夫の踊り」。おお確かに完成された動きですね。3Aはなんとか成功。ちょっとしたステップがすごく軽快でかっこいい。3Lo+3Tはセカンドで手をつきました。なんとか3T入れたかったか。3Lzももちこたえました。ポジションのきれいなスピンで挽回したい。コンビネーションスピンはてきぱきとポジションチェンジ。SlStは音をよくとらえてます。それを上回るような躍動感をこれから出していってほしいですね。最後も音に合わせてしっかり決めてフィニッシュ。あんまり顔色変わらないんですね。演技全体はしっかりまとめましたが、ジャンプの質をあげていきたいところ。60.19。
どんどんどんどん紹介VTR。6分間練習に入りましたね。これが最終グループなんだろうか。
小塚崇彦。「インナー・アージ」。やっぱ今までとは違う滑りの良さですね。3F+3Tをばっちり決めてきました!よっしゃ。滑ってますねー今日は。ぐんぐんスピードがあがります。3Aも高さのあるジャンプで成功。スピンは回転も速い。何気なく見せるステップに技術感じます。3Lzをクリーンに決めてジャンプ終わり。あとは思う存分滑りの良さを見せてもらいましょう。SlStはパトリックちゃんに匹敵するエッジワーク。難しそうなステップやなー。でも自分のものにしてますね。最後のスピンもばっちりでした!よっしゃよっしゃ!小塚がノーミスで決めてきましたね!よしよし。小塚の特長であるKAIZENが(そういえば名古屋だ)すこしずつ進んでいるようですね。感心。信夫先生が鼻セレブのティッシュをもってるのがかわいい。85.60。
町田樹。町田が呼ばれたところで小塚のインタビューが始まったのでまさかスキップかと思いましたがやってくれるようです。「黒い瞳」。入れ込みすぎないようにして。3Aは高さありました。しっかり着氷もリカバー。3F+3Tはセカンドで止まりましたがまずまず。フライングキャメルはポジション重視。つなぎ部分もしっかりアピール。速い音楽に乗ってステップからの3Lzはなんとかおっけー。シットスピンからCiSt。速い音楽にがんばってついていってますね。がんばってる。最後までしっかり決めました。がんばりましたね。プログラムの出来をしっかりちょっとずつあげてました。なんか全体的にうまくなった印象。74.64。
佐々木彰生。「おもしろいプログラムに定評」と紹介されています。いきなり印を結んだ!ニンジャマスターだ!「日本舞曲第5番」ほか。いきなり3Aで転倒!忍者ー!!3Lz+3Tはなんとかこらえました。コンビネーションジャンプの術!ステップからの3Fは片手あげ。GOEあげるの術!スピンはすごい速く回ってほしい。忍者だから。でもSlStはすごく世界観を表現してますね。構成もよく考えられてる。でもSlStの最初と終わりで斬られてるのはなぜだ。実況も「観客を完全にとりこにしてます」とか適当な。そして最後はスピンから切腹でフィニッシュ。なぜ切腹。でもほんとに心に残る演技でした。将軍がいたらお庭番で雇ってほしいくらいでした。60.45。
村上大介。名前の損は演技で取り返す!「フィーリング・ビギンズ」。4Sを予定しているらしいですよ。決めてやれ!4Sは転倒。3Aはかっこいいステップアウトでした。忍者っぽい。ステップからの3Fはいい出来でした。スピンは軸がしっかりしてますね。技術あげてきた感じ。SlStは音楽に対してしっかり躍動感を付け加えてますね。これはいい。最後のキャッチフットスピンもポジションがよかったです。クワドルプルは決まりませんでしたが、細部でしっかり演じてましたね。62.65。
すごい実況席でふくらんだ人がいると思ったらホンダバンでした。貫禄。
中村健人。ピアソラ「フガータ」。アイスダンス的な振り付けかっこいいですね。3Lz+3Tを確実に決めてきましたね。いいぞ。3Aもなんとか。つなぎの部分もよく考えてます。3Fは転倒。うーん3つそろいませんでしたか。スピンは大きなポジションで。見せ場ですね。そしてCiStはアイスダンス的なポジションを保ちながら。相手がいるようないいステップ。こういうのできる日本人ってあんまりいませんよね。スピンでフィニッシュ。うーんやっぱり3Fの転倒が気になるのかさえない顔。しかし68.58が出ました!PCSで評価されたか。横の樋口地蔵尊がとてもねむそうだ。助けてあげて!
高橋大輔。気合い入ってるしよさそうですね。「イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ」。いい雰囲気。4T+3Tをがっちり決めてきました!早速大歓声。3Aもクリーン。はーいトップきそうですね。シットスピンもジャッジの前で回転速く。ステップからの3Lzもまったく問題なし。ステップも高度でした。あとは表現力パートですね。回転速度が出なくてもじっくり表現出来る。SlStはノリノリですね。リズムにばっちりあわせながら、躍動感、チェンジオブペース、そしてエッジワーク。すべてがそろってます。高速スピンでフィニッシュ。はーいありがとうございまーす。これもいい点出そうですね!SPで4-3入れてきてるんですものね。96.05!ぎゃー。
無良崇人。あのあと滑ってるんだろうか。適当に入らないで。「レッド・ヴァイオリン」。4Tが抜けてダブルになりました。迷ったかなー。3Aはしっかり決めました。スピンも演技の流れの中でさくっと。しかし3Lzで転倒してしまいました。これはきつい。でもスピンがんばってますよ。気合い入れていこう。CiStはホンダバンもほめるようによく滑ってるし、音楽にうまく乗れてる。最後はスピンでフィニッシュ。振り付けもあーあという感じになってしまいました。60.05。お父さんもしょんぼり。
羽生結弦。スクリャービン「悲愴」。4Tに挑みますがダブルで降りてしまい、コンビネーションにならず。そのあとの3Aはしっかり大きく決めてきました。ドーナツスピンは上からのアングル。ステップからの3F+2Tはこっちをコンビネーションに。しかも手あげですね。柔軟性あります。相変わらずSlStは細かい動きの中に物語を生み出しています。このあたりが羽生の力ですね。コンビネーションスピンは1つ1つのポジションをしっかり決めながら、スムーズにポジションチェンジしていきました。最初のジャンプ以外はしっかりいけてますね。74.82。うーんもうちょい上に行きたかったところですが。→得点訂正が入って74.32になったそうです。
○SP終わっての順位:
1. Daisuke高橋
2. Takahiko小塚
3. Tatsuki町田
4. Yuzuru羽生
5. Kento中村
6. Detective田中
高橋がトップ。もはや別次元ですね。すでに勝敗は決していますが、横綱は優勝するのがわかっていてもお客様のために相撲をとるのです。FSではさらにその強さを見せてほしいものです。
2位は小塚。やっぱりだいぶ離されてしまいましたが、上を追っていきましょう。でもプログラムはどんどん詰まってきて、いいものになってます。3位に町田がきました。気がつけば3位。全体の演技の質が高まったなとは思っていましたが、この位置も不思議ではないですよね。表彰台を狙っていきましょうよ。
そして4位に羽生。得点訂正で4位に下がりましたが、最初のジャンプ以外は持ち味をもりもり出せてます。5位は中村。転倒してもこの位置は、その表現力が認められている証ですよね。前ファイナルチャンプ&今もなんとか全米チャンプのシズニーのように、ほかのところでリカバーできれば、ジャンプも気楽にいけるというものです。6位はディティクティブ。あんなに最初の方に滑ったのに6位は立派の一言です。

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フィギュアスケート全日本選手権2011(1):男子シングルSP への3件のフィードバック

  1. 桜もち のコメント:

    高橋選手、すごかったですねー! 実況席の本田さんが本当に言葉を無くしていて「あぁ、興奮しているんだなぁ」というのがテレビを観ていて、ひしひしと伝わってきました。高橋選手の今日のSPは、何年かに1度観られるか観られないかの凄い名演技だと思っているのですが、こういうことが時々あるから、スケートを観るのは止められないんですよねー マイクさんがおっしゃるように、まさに“横綱”の名にふさわしい圧巻の演技でした。
    カナダにもう一人、とてつもなく強い“横綱”がいますが…“横綱”を倒せるのは“横綱”しかいない!と強く感じたので、ワールドでのマッチアップが今から本当に楽しみです!
    小塚選手は、結構離されてしまいましたけど、こちらもとても良かったですよね? 表現するのに、だいぶ照れが無くなって良い感じだなぁと思いました。
    あぁ、羽生選手は4位なのですね?
    >(冒頭が3回転トゥループになって)最後のルッツにトリプルトゥループをつけたら(同じ技で)キックアウトになると分かっていたので、初めてのパターンにしてはしっかりできたと思います。
    と、コメントしているのを見て「なんて賢いんだろう!」と思いました。この計算能力を、ちょっとどこかの末裔にわけてあげたいです。
    ソチの次のオリンピックの頃どう成長してるか楽しみでならない宇野昌磨くんとか、なぜ忍者? なぜ切腹?という不思議プログラムの佐々木彰生選手とか、見どころいっぱいでしたね。みんな明日のフリーも元気で良い演技を見せてほしいです。

  2. みつぼし のコメント:

    民放地上波を全然見なくなりましたので、
    >「『レディ・ナビゲーション(女子の操縦)』…これがオレの『能力』だ…オマエにはできないのか…?」
    な苦労とは無縁になりました。
    毎度毎度ご苦労様です。
    4回転のコンビネーションが入るかどうかが世界でメダルを獲るカギになってきましたね。
    全体的にレベルが上がってきたのとルール改正が上手く効いている気がします。
    高橋は勝負して正解でしたね。フリーでも勝負して欲しい。
    今回は差がつきましたが、高橋を追う世代も層が厚くて良いですね。
    せっかく近くに良い目標が居るのですから、それを生かして欲しい。
    「これがメダリストの演技か」「これをやらないとメダル取れないのか」と肌で感じる機会は貴重ですよ。

  3. マイク松 のコメント:

    桜もちさん、みつぼしさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
    >桜もちさん
    ホンダバンは高橋のときにはほんとコーチモードですよね。良くても悪くても絶句する的な。
    ほんとに今のパトリックちゃんを倒せるのは高橋が最有力でしょうし、いい戦い期待したいですね。
    >みつぼしさん
    全日本地上波じゃないところでやってたんですか?知りませんでした…。
    おっしゃるとおり、今年のルール改正はなかなかツボをおさえたいいものでしたね。ループの改正がよかったと思います。

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