全米フィギュアスケート選手権2022(2):男子シングルSP

Jsportsではというか、全米選手権はシングル女子FSが先に行われるのですが、もうレビューもリアルタイムについて行けてないし、なにしろネイサン・チェンが見たあああああいという気持ちが高まってしまったのでシングル男子SPをやります。
解説は杉爺こと杉田さん、お久しぶりですね。実況は赤平さん。

男子子シングルSPは15人、3グループに分かれての滑走になります。さすがにグループ1は知らない人ばかりなのでグループ2から。

ディン・トラン。「マラゲーニャ」3Aは軸が斜めになりましたが両足で着氷しました。3Lo+2Tは最初のジャンプでバランスを崩しましたがなんとかコンビネーションに。キャメルスピンはまずまず。3Fも軸はちょっと不安定な感じでしたがきれいに着氷しました。コンビネーションスピンは素敵なスピン。ステップシークエンスはレベルをとろうといろいろやってるんだけどちょっと雑な感じがしますね。シットスピンは回転が速くていいです。最初はジャンプが不安でしたがよくまとめました。71.18。

イリヤ・マリニン。国内選手権シニアデビュー。「ビリー・ジーン」4Lzは美しいジャンプです。イーグルの4T+3Tも引っかかるとこのないきれいなジャンプ。足替えのキャメルスピンも女子選手のような体の柔らかさ。3Aも見事。コンビネーションスピンも素晴らしいですね。ステップシークエンスも勢いもあるし細かいツイズルもお見事。才能のきらめきを感じます。コンビネーションスピンも素晴らしいスピード。お客さんもつい立ち上がってしまいます。アメリカ男子は安泰ですね。やりたいことを全てやってのけて笑顔がはじけます。ジュニアから上がってきた頃の羽生結弦をちょっと思い出しました。怪我なく育って欲しい。103.46。

ジェイソン・ブラウン。ニーナ・シモン「シナーマン」流れのある3F。3Aも着氷。フライングシットスピンも最初がものすごく難しい。音の取り方がさすが。3Lz+3Tも成功。ステップシークエンスも素晴らしい。こんなに自由に滑れる人も少ないですよ。そのあとの短いスパイラルも美しい。コンビネーションスピンもポジションチェンジがめちゃくちゃ速い。キャメルスピンから最後のポーズまでアートです。エレメンツが流れの中に溶け込んでいてアートです。100.84。4回転無しでこの点はスゴイ。でも、文句はありません。

カムデン・プルキネン。映画「ムーラン・ルージュ」より。見事な4T。高いですね。3Aも高さがあります。キャメルスピンはやや体が硬いかな。3Lz+3Tはターンが入ってしまいましたがコンビネーションにできました。シットスピンもOK。情熱的なステップシークエンス。曲によく合ってます。映画の主人公のような爽快感があります。その勢いのままコンビネーションスピン。やりきった笑顔が素敵です。90.16。これもいい点です。

アルトゥール・ドミトリエフ。全米選手権デビューって、あのロシアのドミトリエフなんですか?「Tricky tricky」スピードのないところから4Loでしたが、転倒してしまいました。3Lz+3Fという珍しいジャンプ。着氷がもう一つでしたが、こういうのありなんですね。3Aは無難に成功。キャメルスピンはまずまず。シットスピンは悩めるポーズみたいでおもしろい。ステップシークエンスはさすがに上手い。長い手の使い方が上手ですがレベルがとれてなかったみたい。コンビネーションスピンもまずまず。最後は投げキッスで終えました。「ロシアでの評価が高くなかったところアメリカの連盟から声をかけてもらったので来ました」とのことです。赤平さんと杉爺が話してたところでは全米選手権で滑っておくと引退後の就職活動に有利なのではという話です。一昔前の引退前に某野球チームに所属しておくと解説の仕事が舞い込みやすい、みたいなことなんですね。そう考えるとドミトリエフの選択もよく理解できます。なーる、なーる。62.40

ジミー・マ。映画「ブラックスワン」より。美しい4T+3T。3Lzも素晴らしい流れ。キャメルスピンはまあさておき、3Aも高くて大きなジャンプ。足替えのコンビネーションスピンはいいスピン。一転躍動感のあるステップシークエンス。もうちょっとスケーティングが伸びるといいのですが。シットスピンはまずまずですね。しかし3つのジャンプがすごかったです。91.62

ヤロスラフ・パニオット。元々はウクライナの選手らしいです。「サタディナイトフィーバー」ほか。4T+3Tはややバランスを崩しましたがカバーしました。慎重に跳んだ3Aは成功。キャメルスピンは普通かな。ディスコの振り付けに杉爺も「ふふふ」手を上げた3Lzは流れのあるジャンプ。コンビネーションスピンは上手。またディスコの振り付けで会場が沸きます。そのままステップシークエンスでディスコ。シットスピンも面白い。ちょっと音楽と合いませんでしたががんばりました。振り付けはミーシャ・ジー。リンクを降りて2人ががっちり抱き合いました。88.68

ネイサン・チェン。「ラ・ボエーム」なんでしょうか、この地味衣装は。白Tに黒いスーツ的な。悪くないけどもうちょっとフィギュアスケートらしい華やかな衣装で出てきて欲しい。貴方はネイサン・チェンなんですよ?
ちょっと滑っただけで「氷が違う」と感じる滑りの良さ。素晴らしい4F。スケートののびがスゴイ。3Aも大きい。キャメルスピンも終わるときがかっこいい。4Lz+3Tも簡単に跳びますね。ステップシークエンスのスピードがスゴイ。シットスピンのあとにさらにスピードを増したコンビネーションスピン。はあああ。ため息。えげつないスピードなのに優雅。ゆったりしたシャンソンは普通に滑ると退屈になりそうですがとても魅力的でした。115.39。全米選手権歴代最高得点更新です。

ライアン・ダンク。「ジョージ・ウィストン・メドレー」両手を挙げた3Lz。3Aは転倒してしまいました。ここまでほとんど転倒をしていないという話をちょっと前にしてたからかな。ステップシークエンスはよくコントロールされてます。面白い形のキャメルスピン。3Lo+3Loのコンビネーションジャンプも珍しい。シットスピンはやや止まりそう。足替えのコンビネーションスピンはいいですね。すっと終わりました。曲によく合ってます。65.66

ヴィンセント・ジョウ。「ヴィンセント」4Lz+3Tは高い。すごい加点がついてます。4Sも高さがあります。キャメルスピンも素晴らしい。3Aも難しい入りから大きなジャンプを決めました。シットスピンも回転がきれい。ステップシークエンスも美しい。こんなに上手でしたっけ?コンビネーションスピンも複雑な動きを難なく決めました。完璧なSP。これは私の中のヴィンセント・ジョウのイメージが変わりました。素晴らしい選手です。112.78

○SPを終えての順位(もう点数がすごいので点数を味わってください)
1.ネイサン・チェン   115.39
2.ヴィンセント・ジョウ 112.78
3.イリヤ・マリニン   103.46
4.ジェイソン・ブラウン 100.84
5.ジミー・マ      91.62
6.カムデン・プルキネン 90.16

もうなんか、「平家にあらずんば人にあらず」みたいなノリで「SP100点にあらずんば代表にならず」という感じです。SP100点てこんなに連発されるの?しかし点数のマシマシな感じはさておき、それに値するほどとても素晴らしい出来でした。

1位のネイサン・チェンはさすがのネイサン・チェンという感じでしたが、2位のヴィンセント・ジョウもジャンプマシーンのイメージを覆す柔らかな滑り。エレメンツだけじゃないスケーティングの良さを感じました。そしてそれに迫る新星イリヤ・マリニン。17歳だそうですが、これがちょっと見ただけで特別な選手だということがわかります。FSも楽しみですね。

そして4位に我らがジェイソン・ブラウン。うーん、ジェイソン・ブラウンであることを証明しても難しいぐらいジャンプの難易度が凄いことになっているので大変ですが完璧なFSが見られたらノーチャンスじゃないです。楽しみ。4位のジミー・マはジャンプが素晴らしいんですよ。それ以外はまあまあなんですけど。ノーミスだとトップ4に絡んでくるかもです。5位のカムデン・プルキネンはドラマチックな滑り。リンクが劇場化してました。FSも劇場に変えて欲しいです。

アメリカ男子がこんなに面白いとは!ちょっと驚き。

カテゴリー: フィギュアスケート パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。