君は『フィギュアスケート 美のテクニック』を読んだか

フィギュアスケートシーズンも終了しましたね。
日本中が熱狂した世界選手権も幕を閉じました。民放では瞬間最高視聴率35.5%だったとか。どおりでいろんな人がフィギュアスケートに対して一言言いたくなるわけですね。こんなサイトをやっていながらも、フィギュアスケートの話をするのがめんどくさくて家族にあんまり会いたくないと思っている富井です。ましてや親戚になんてねえ・・・寝るに限ります。GW、いかがお過ごしですか。
さて、家族・親類とはフィギュアスケートの話をしたがらないくせに、今日もタイトルは高飛車ですみません。チェリーさん、masayanさんに教えていただいた(ありがとうございます!)樋口豊地蔵尊先生監修の『フィギュアスケート 美のテクニック』があまりに素晴らしかったのでご紹介させていただきます。
まず、表紙を見ていただきたいのですがモデルが太田由希奈ですよ!もうこれがまるごと太田由希奈写真集と言ってもいい本で、ファンにはたまらない一冊になっています。帯には、

「樋口豊が伝授するフィギュアスケートの神髄ーテクニックが分かれば、観戦がもっと楽しくなるはず!」
「力と美は共存する」

との力強いコメントと、ケータイで撮ったのかな?という画像の荒い樋口地蔵尊の写真があります。表情はステキなのですが、目とか目の周りとか妙に赤くて全く修正の入ってない、テキトーな写真が気になります。この帯を早く捨てて由希奈の美しいポーズをご覧なさいというメッセージなのでしょうか。
中もジャンプ、スピン、ステップ等の写真が満載でわかりやすい。モデルが由希奈はんだけに手足の位置がどこをとっても絵になっています。特に由希奈ファンからしたら絶対外せないイナバウアーのポジションは胸から顎にかけてのラインが美しい(個人的にはもっとサイドから撮って右手も撮して欲しかったですが)世界を魅了したレイバックがきちんと写真に残ったのは嬉しい限り。写真にしてみるとレイバックスピンがそれほどのインパクトがないんですよね。あれはスピンしながら腕が動いていくので魅惑的なのであって、スケートと切り離してはいけないのだなと思いました。
勢いに乗って暑苦しく由希奈はんの美しさについて語ってしまいましたが、この本は私のような由希奈マニアに向けてだけ作られたわけでなく、樋口先生の語る「フィギュアスケートの美しさ」がいいんですよー。最初に由希奈はんとの対談みたいな形で話していらっしゃいますが、「上半身を動かさなくてもスケートだけで表現ができる」というのは重要な指摘だと思います。先日のエキシビションでの小塚くんの後半なんてまさに足元だけの表現で曲を表現してましたよね。いくらバレエのようにポーズが美しくても俳優のように顔の表現がすごくても滑らないと意味がない。テレビ観戦の弊害は(あえて弊害といっちゃいますが)アップにすることで本当はその選手がどんなスケートをしているのか分からなくなってしまうところなんですよね。
また、この本にはスポーツライターの野口美恵さんのコラムがたくさんあるのですが、それも理想のフィギュアスケートという遥か先があって、そこへいろんな選手がどのようにアプローチしているかという視点なのですっきりしています。それも野口さん自身が大人になってからフィギュアスケートを始めたスケーターの1人だからいいんだとおもいます。フィギュアスケートに限らないと思いますが選手個人の内側からアプローチするライターの方(まるで選手のスポークスマンのように)も多いので、フィギュアスケートが分からなくなる記事もたまにあるのですが、そんなことがなかったです。お薦めの一冊です。

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君は『フィギュアスケート 美のテクニック』を読んだか への5件のフィードバック

  1. チェリー のコメント:

    近日といいながらほぼ即日のレビューアップ、富井さんの由希奈はん愛の深さを感じます
    樋口地蔵尊の哲学、野口さんの視点も素晴らしいですよね
    美を体現する世界遺産重要文化財国宝由希奈はんの布教にいそしむべく
    私もほうぼうでこのバイブルを見せびらかしています
    しかし、先日の神戸のチャリティーショーで募金をした折に
    この美しい由希奈はんに畏れ多くも話しかけてしまったかと思うと、今更ながら目眩がします
    「相変わらずおきれいで」などと見たまんまヤンケ的な事を言ってしまったのですが、
    隣にいた高橋大輔選手がアハハハッと笑ってくれたのがちょっと嬉しかったです
    ロングコメ、失礼いたしました

  2. みやすけ のコメント:

    富井様こんばんは。
    こちらで情報をいただいて、速攻であまぞりました。
    本日、まばゆいばかりの由希奈はんが表紙を飾る写真集が届きました。
    あ、写真集じゃないですね(笑)
    どの瞬間を切り取っても、どこから写しても、なぜにこんなに美しいんでしょう?
    樋口センセイが伝えたい「美」を体現できるのは由希奈はんしかいないんじゃないでしょうか。
    身体のラインだけでなく(これは言うまでもなく)、指の1本1本にまで神経が
    行き届いているのが、とてもよくわかりますよね。
    レイバックスピンやイナバウワー、スパイラルの写真は絶品を超えた美しさです。
    由希奈はんの美しさ満載なのはもちろんですが、点数(レベル)のつけ方、
    点数(レベル)を獲るためのアプローチなど、スケートを観戦するにあたり
    知っておくとより楽しめる、またより納得できる(であろう)コラムなども
    たくさんあって、とても勉強になりました。
    一家に一冊、一粒で800度くらい美味しい本です。家宝決定!

  3. 富井副部長 のコメント:

    チェリーさん、みやすけさん、コメントありがとうございます。
    >チェリーさん
    >私もほうぼうでこのバイブルを見せびらかしています
    ありがたいお話です。
    >「相変わらずおきれいで」などと見たまんまヤンケ的な事を言ってしまったのですが、>隣にいた高橋大輔選手がアハハハッと笑ってくれたのがちょっと嬉しかったです
    うらやましい!私もお会いしたら「相変わらずおきれいで」と伝えたいです!しかし高橋選手もつくづくいい人ですね。
    >みやすけさん
    >本日、まばゆいばかりの由希奈はんが表紙を飾る写真集が届きました
    よくぞ!という表紙ですよね。それなのに帯はなぜあんな写真なのか・・・
    >一家に一冊、一粒で800度くらい美味しい本です。家宝決定!
    私も暇があればぱらぱらめくっていろんな発見をしています。家宝になりますね、これは。

  4. そばえ のコメント:

    こんにちは、過去の記事にコメント失礼します
    「美のテクニック」、富井さまのこのエントリーを読んでずっと気になっていたんですが
    今日Dreams on Iceの物販コーナーで購入しました
    本当に太田由希奈さんの写真集って言っていいほど美しい写真満載ですね!
    由希奈さんの美しい写真でフィギュアの勉強が出来るって贅沢すぎます…うっとり
    まだ全部読めてないんですが、樋口先生の仰る「だれもが足の裏にダイヤモンドを持っている。
    そのダイヤモンドを見つけられた人と見つけられない人ではスケーティングが全く違う」という話が興味深いです。
    現役選手だと誰がダイヤモンドを見つけてるかな…とつい想像してしまいます(笑)。
    フィギュアファン必携の素晴らしい本を教えていただきありがとうございました!
    またシーズン始まりましたら、お2人のレビュー楽しみにしております。
    長文失礼いたします。

    • 富井副部長 のコメント:

      そばえさん、コメントありがとうございます。
      >今日Dreams on Iceの物販コーナーで購入しました
      そうですか!お買い上げありがとうございます!!あの安藤さんのブラックスワンもご覧になったんですね。うらやましい。
      >由希奈さんの美しい写真でフィギュアの勉強が出来るって贅沢すぎます…うっとり
      わかりやすくて美しいですよね。今シーズンは手元に置いて勉強したいです。

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